購買課に属していた時、納入業者が適当な取引先か否か判断することがあった。
書類審査だけでなく会社訪問をして確認していた。
当初、何を確認して判断すればいいか分からない私に、上司は【会社のゆとりというか、余裕を見るように】と言われた。
どうやらそれは数字では見えない部分の話・・・、勧められたのはトイレチェック。
製造メーカでは、整理整頓は品質のバロメータだ。
ただ、業種によって製造現場の整理整頓具合は素人では判断できないことがある。
でもトイレの清潔さは素人でも判断できる。
だから上司はトイレチェックを勧めたようだ。
建屋が新しくても、最新鋭の機械で製造していても、製造現場がある程度整頓されていても、品質とは関係のないトイレが清潔に保たれていないことがある。
それは経営者や社員の心のゆとりがない会社だそうだ。
経済的に火に車の会社だと、トイレに気を配ることは更に困難になる。
で、私は業者を訪問する度に、トイレに行った。
特に客用でないトイレを狙って。
確かに、会社によってお掃除事情や雰囲気が違っていた。
トイレ環境は、購入するものとは関係のない無駄な部分なはずだけど・・
トイレ訪問は案外、その会社の状況を現していて、書類審査の結果とも合致していた。
簡単で良い基準だったと思う。
不潔なトイレでも(我慢すれば)使用できるけど、キレイだと気持ちいい。最低8時間も働く職場なら尚更だ。直接的な仕事や品質には関係ないけど、快適空間を作れることは、社員にとって重要だし、長い目で見ると良い品質のものを継続的に作れるということにつながる。
無駄は無駄じゃないんだなあ。
人の心も同じかもしれないねぇ。
日常の何気ないこと、無くてもいいと思える事柄や気づき・・を感じれているか?
例
・屋外から鈴虫の声が聞こえる。
・入道雲を見て夏を感じる。
・友人に笑顔であいさつする。
・おしゃれする
・ペットの頭を撫でる
これって、自分の【心にゆとり】があるということだと思う。
テンパって、余裕のない状態なら
・周りの音に気付かない
・手元足元しか見えないし、季節を感じない
・友人に会ったことも気付かない
・自分の外観に注意を払えない。
・自分以外の世話はできない
今自分は、無駄を感じる【心のゆとり】のある状態だろうか・・。
あなたは、どうですか?
テンパっていたら、深呼吸して、空を見て、周りの音に耳をすませてみてね!
無駄を感じましょう!
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