よく「うつは心の風邪」と言われます。
多くの人がかかるという視点においては、風邪をひくことに例えられたりするのですが、実際には風邪のように数日間で元気になるようなものではありません。
かかる本人には、他の人がわからない辛さがあるのです。
これを、
などと軽い気持ちで、周りの人が軽く捉えることで、症状はまずまず悪化していきます。
さて、うつに悩む本人にとって、最も辛いことは何だと思いますか。
それは、
行動できなくなる
ことです。
行動したくてもできない辛さが、さらに本人の心を苦しめます。
これまで当たり前のようにできていたことができなくなる辛さ。
好きだったことが好きだと思えなくなる惨めさ。
この感覚は、かかった人でないと分かり得ないものです。
実際の臨床例を挙げてみましょう。
例えば、
この方たちは、すべて医師から処方を受け、治療を続けていました。
うつは、脳内での神経伝達の機能異状によるものだということがわかっています。
最近では、眠気・だるさ・ 便秘・吐き気・口の渇き・めまい・頭痛などの副作用の少ない種類の薬も開発されています。
しかし、この症状は薬だけで完治するかというとそうではありません。
うつにかかる人の多くは、明るく活発で、様々なことに前向きな気持ちで取り組んできている人が多いと言われます。
しかし、一度、発症すると、
思考や身体にも、
こんな症状が現れます。
実際に、自殺者の多くがうつにかかっていると言われます。
自殺・・・、それは苦しみから逃れるための最終手段。
交通事故で亡くなる人が年間で1万人以下になっている現在、その約3倍の数であることからも、ことの大きさが良くわかります。
世間のうつへの理解が深まってきていることもあり、近年自殺者は減少傾向にありますが、自ら命を絶つほど自らの心を追い詰めてしまうことも怖いところです。
自殺者数の推移 厚生労働省年度別自殺統計より
「もしも、あなたは何もしなくていいんですよ。」
と寄り添ってあげられたら、命は救えたかもしれないと思うと、とても残念な気持ちになります。
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