先週、心理カウンセラーにクライエントと同様の経験が必要かどうかという趣旨で書かせていただいた記事に、多くの方からの反響をいただきました。
自分としては、この記事の中では、意を尽くせなかったこともあり、追加で記事を上げさせていただこうと思ったのが、今回の記事の動機です。
心理カウンセラーになりたい人の動機は、人それぞれです。
育った環境
歩んできた道
積み上げてきた経験
それぞれが違いますから、当然ですね。
カウンセリングマインドハピネスのカウンセラー達も、それぞれ違っています。
でも、たった一つだけ、共通しているものがあるんです。
それは、
それは人の役に立ちたい
という純粋な想い。
世の中には、自分一人ではどうにもならない状態に陥っている人が大勢いる。
そんな人々のマインドセットを解きほぐし、エンパワーメントする。
我々の使命は、とてつもなく大きなものだと、皆自覚しています。
そのために、共感的理解は欠かせないものと考えるわけですが、前記事の中で述べた、同情するのはカウンセリングの目的にそぐわないという点に対して、ある方から質問をいただきましたのでお答えしようと思います。
ご質問は、以下の内容です。
記事の意味、最もだと思いますし、よく理解もいたしました。ただ、私には同情心がありますし、悩んでいるクライエントを何とかしてあげたいと思う心もあります。それに対してどのように向き合っていけばいいのでしょうか。
お答えする前に、私のことをお話いたします。
実は、私も非常に涙もろい人間です。
人の辛さには同じ気持ちを受け取り、悲しみには同様の感情を湧き上がらせて涙するようなタイプです。
初期のころ、人様のカウンセリングを受けるとき、そんな感情を持ちながらクライエント様のお話を傾聴していました。
ところが、こんなことがあったんです。
あるご主人のモラハラに耐えられないという高齢女性のクライエント様の話を聞き続けていたとき、ある時は共に苦しみを感じ、またある時には共に涙を流して悲しみ、自分では共感しているつもりでいました。
実は、その後、ご主人とお話しする機会がありました。ところが、そのご主人は、礼儀をわきまえ、言葉遣いのとても丁寧な方だったのです。奥様がお話しする人物像とは全く違っていたことに、驚かされました。しかも、奥様には、誇大妄想なところがあって、自分で脚色して作り上げる癖があるというのです。モラハラを受けているのは、ご主人の方で、これまで感情が高ぶった妻をなだめて、すかして過ごしてきたというものでした。
確かに、奥様の話には虚言の傾向が感じられ、そんなひどいことが実際にあるものだろうかという疑わしい事柄がありました。
私は、この方の妄想に悲しみ、涙したということになります。
そんな経緯から、私は下のようなことを実感したのです。
下の記事、
に詳しく書いていますが、
感情はあなたの無意識の伝道者
と申し上げている通りです。
そんな観点でお話をお伺いするようになると、クライエント様の話がそれだけにとどまらず、裏にあるものが手に取るように見えてくるようになってきたんです。
やはり、心理カウンセラーには、言葉から推察できる状況、生活環境、身体状況、人間関係などを正確につかみ取る能力が必要不可欠です。
そのためには、クライエントの本質ではない感情の池に溺れてはいけないということです。
こう書くと、私がとてもドライな人間に見えるかもしれませんが、初めに申しましたように、私は涙もろい人間です。
だから、自戒を込めて、申し上げます。
心理カウンセラーはクライエントの問題解決の援助者である
ということ。
同情心や哀れみで、クライエントが救われることはありません。
たとえ、その場は聞いてもらえてよかった、わかってくれたと安心しても、根本のマインドを揺さぶるものがなければ、クライエントは同じことを繰り返すだけなのです。
ですので、お答えとしては、
同情心を持つのは、あなたがクライエントに共感したいと思うからこそ湧き上がる感情です。決して、悪いことだとは思いません。
ただ、その気持ちに振り回されてしまったり、あなたがその感情をずっと抱えてしまったりするようなら、そうならないためにも、少しでも感情の背景を読むことを心がけてみてください。そこにこそ、本質的なものが存在しているはずですから。
背景が見えるようになるためには、経験も必要かとは思いますが、そう思って聞いているだけで、じんわりと見えてくるものです。ご精進あるのみですね。
最後に、反対のことを考えました。
人の気持ちをあまり感じないような人が、カウンセラーに向いているかということ。
理性的で、知性にあふれ、感情を表に出さないような人。(そんな人が、実際にいるかどうかは別として・・・)
人は自分の心に共感してもらえることで、癒され、勇気づけられるものですから、感情が動かないような人にお話ししたいとは思わないはずです。
つまりは、クライエントは、研究者のような人よりも、共感者を求めていることに間違いはありません。
ですから、同情心あふれるあなたは、十分にカウンセラーとしての資質が備わっていらっしゃると申し上げておきます。
十分に、クライエント様のお役に立てます。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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今日もあなたに喜びの一日が訪れますように。
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