私が両手をひろげても
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに
地面を速くは走れない
私がからだをゆすっても
きれいな音は出ないけど
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ
鈴と 小鳥と それから私
みんなちがって みんないい
(金子みすゞ「私と小鳥と鈴と」より)
青いお空のそこふかく
海の小石のそのように
夜が来るまでしずんでる
昼のお星は目に見えぬ
見えぬけれどもあるんだよ
見えないものでもあるんだよ
(金子みすゞ「星とたんぽぽ」より)
先日、あるカウンセラーさんが、金子みすゞさんの詩の一節である
「みんな違ってみんないい。」
を人間関係のとらえ方の例として、お話ししていました。
金子みすゞさんの詩は聞いたことがあっても、26歳の若さで自殺したことは、あまり知られていないかもしれません。
彼女は、西條八十の詩に感化し、自らの詩を雑誌に投稿したことから、西條の目に留まり、「若き童謡詩人の中の巨星」と称賛を受けました。
婚姻した相手が暴君であったことから、詩作や詩仲間との交流を禁止されるなど自らの自由を奪われ、たった一人の娘の親権を獲得する願いを書いた遺書を残して命を絶ったのだそうです。
彼女のものごとの真実をやわらかな言葉で表現する数々の作品には、現代の人が心を動かされる何かがありますね。
有名な「私と小鳥と鈴と」は、学校教育の現場でも、先生方が生徒によく紹介しています。
私も、悩んでいた時に、ある恩師から、この詩を紹介されました。
「それぞれ違っているけれど、みんなちがってみんないい。」
と大変シンプルな言い回しの中に、込められている鋭い人間観。
彼女の生き様から、真実を見つめ続け、追い求めて生きていくことの大切さを感じます。
私たちは、命にいつ終わりが来るかはわかりませんが、本当のものは何か、大切にすべきは何かを、絶えず心に問いかけていきたいと思っています。
クライエント様が自信を失いかけていたら、タイミングを見て、この詩を紹介してあげます。
あなたには、あなたでしか成し得ないことがありますよという大きなメッセージです。
また、「星とたんぽぽ」で歌っているように、心を学んでいるカウンセラーにとっても、
「見えないものでもあるんです。」はたいへん心に響く言葉です。
なぜなら、
見えないもの見る
聞えないものを聴く
のがカウンセリングだからです。
ここは、私のカウンセリングの原点とも言えます。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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