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10連休がありがたくなかった理由

お知らせ

今回の連休に対して、外から見て、少しばかりのコメントを入れさせていただきます。

「今回の10連休をどのように受け止めていますか。」というアンケートに対し、

「仕事を休めるからありがたい。」と感じている人が3~4割いる一方で、「あまりうれしくない。」と答えている人が同等数いることが、私の心に引っかかりました。

では、どうしてうれしくないと感じる人々がいるのでしょうか。

理由は、簡単に想像できました。

1 一斉に連休になるとどこも込み合うから。
2 働かない分、収入が減るから。
3 子どもがずっと家にいるから。
4 何もすることがないから。

私は、うれしくないと答えた人はこのどれかに理由があろうかと思います。

でも、この理由にこそ、大きな社会問題が潜んでいるように思います。

初めに挙げた、1の理由について考えてみましょう。

なぜに、一斉に休みを取らねばならないのでしょうか。

新年号の制定という理由は別にして、考えてみたいのです。

高速道は大渋滞。

どこにいっても行列状態。

人混みが苦手な私は、決してこういう時に周りと同じことをしようとは思いません。

私は、一斉連休にして、人々を無理やり休ませることで、働き方改革を促進させているような錯覚を与えようとする思惑さえ感じます。

そもそも、日本の労働問題の最たるものは、有給休暇をきちんと消化できないことです。それは、周りに申し訳ないという土壌や、集団で働く意識が強すぎるために個人が有給さえ自由に取れないことこそが問題だと思うのです。

私は、ドイツに長く住んでいたので、特にこれを強く感じます。

ドイツという国は、個人主義が徹底しています。

商店や会社のサービスもあまりよくありません。

人々は、休暇を取ることに何の抵抗もありませんし、周りに申し訳ないなんて心は、ほとんど持っていません。

法律もそれに後押しして、有給を完全に消化していないと管理者が罰せられる仕組みにさえなっています。

労働者の権利が保障されている国とも言えましょう。

ドイツの年間30日の有給消化率は100%。

自分の都合のよい時期に申請をして、彼らは南国にバカンスに出かけます。

片や日本の少ない有給10日~20日の消化率は、その半分の50%なのです。

上司や周りの人の顔色を窺う卑屈さ、堂々と休めない窮屈さ、法的な支援の弱さがあるのが日本の本当の姿です。

そして、その有休で、家でゴロゴロしている人のなんと多いことか。

 

そんな、日本とドイツのGDPを比較すると、労働時間の短いドイツの方が日本よりも高いという事実をどのように捉えるでしょうか。

私は、働き方改革の目指すべきは、その労働の中身にあると思っています。

おもてなし精神ばかりに注力せず、無駄なサービスを徹底的に省き、時間内で働くことこそ、働き方改革の柱とすべきものです。

労働に価値を見出させようと大義ばかりを押し付けずに、もっと気楽に生きるために働くでいいのです。

その代わり、余分な過剰労働は「しない、させない、許さない。」を徹底することです。

それこそ、政治主導でやるべきことです。

 

サービス過剰が引き起こしている例をいくつか挙げてみます。会社がこれを止めるように、環境面からのアプローチも必要でしょう。

・衛生上問題があるからと言って、入り口に消毒液、顔面を覆い隠すマスク、頭にビニールキャップをかぶらせ、手にはビニールの手袋をつけて食堂で働く人たち。食べ物は、基本、火に通せばバクテリアは死滅します。まるでロボコップならぬ、ビニコップです。もういい加減に人間に戻りませんか。
・一個一個、袋に包装されたお菓子が小箱に入れられ、それがまた大きな箱に入っていて、その大きな箱を包装紙でくるんであります。それを、プラスチック袋に入れて、またきれいなひものついた手提げ袋に入れる和菓子・洋菓子屋さん。まるで、マトリョーシカです。もう、止めにしませんか。
・お買い物に来たお客様を荷物を持って差し上げて玄関まで見送り、お客様が立ち去るまで玄関前でずっと頭を下げ続けている店員さん。だれも見ていませんよ。

会社の経営陣がこれらを止めることを促すために、環境面からのアプローチも必要でしょう。

 

自らサービスを求めすぎることが、自分自身に苦しさとして返ってきます。

サービス大国なんて自慢気に語っても、良い面ばかりではないことを知りましょう。

まずは、国民一人ひとりが余分なサービスを求めない精神を真剣に身に付けていかないと、我が国の人々は、総じてくたくたになって疲弊していくだろうと真剣に思います。

人間が一番、サービスは2番目以降。

だから、心から訴えます。

皆さん、人として働いてください。

すべき権利は、行使しましょう。

不要なサービスを、社会から排除していきましょう。


最後まで、お読みいただきありがとうございました。

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