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愚痴聞きサービスのメリットとデメリット

カウンセリング

愚痴聞きサイトの功罪

よく、

「あなたの愚痴、聞きます。」

というサイトがあります。

 

相談者は、人の悪口を並べて心がすっきりする。

カウンセラーは、心を受け止めてあげることで報酬を得る。

 

人の愚痴を聞いてあげて、ご料金をいただくこと。

 

これは、ある意味、ビジネスとして双方にメリットをもたらすかのように見えます。

 

しかしです。

 

相談者の話を肯定しながら愚痴を一部始終聞いてあげて、

自分は正しい

間違っていない

このままでいいんだ

と思ってしまったとしたら、どうでしょうか。

 

こうすることで、相談者の人生が豊かになると思えますか。

 

もちろん、答えは

NO

です。

カウンセラーには強い意志が必要

先日のカウンセリングでも、人間関係の困難さに対して愚痴を並べる相談者が、

「自分は間違っていませんよね。」

「悪いのは相手で、私ではありませんよね。」

と聞いてくるのですが、私は、こういうケースのときには、「はい、そうです。」と申し上げることはありません。

なぜなら、

あなたには、そう映って見えるんですね。

あなたの中では、それが正解なんですね。

というスタンスで常にお話をお聴きするからなんです。

 

安易に自己流のジャッジメントを下そうとするクライエントの心にこそ大きな問題があります。

 

ものごとに良いも悪いもない。

 

これが普遍的な真実。

 

もしも、そんなとき、安易に、

あなたは間違っていませんよ。

悪いのは相手ですよ。

と対応するカウンセラーは、その後に相談者がどうなるかを想像してみることです。

相談者は、思考をより固め、不都合を呼び寄せる行動に自信を深めていくことになります。

自らの思考癖や行動によって現在の悩みを招いているのに、それが強化されたとしたら、これほどの不幸はありません。

そう思いませんか。

 

はっきり申し上げてしまえば、私は、「愚痴聞きサービス」には、本質的にはほとんど意味がないと断言できます。

それによって、クライエントが大きな勘違いをし、自分の思考パターンや行動パターンまでをも自分自身で肯定したら、本質的にその悩みから抜け出すことができないばかりか、

同じ轍を踏む

ことが明白だからです。

共感することを勘違いし、相手の思考や行動にまでOKを出してしまったら、クライエントが立ち直ることは決してありません。

共感は、感情にフォーカスするもので、思考や行動は別物と考えるべきです。

このような理由から、私は、カウンセリング前に、

 

現在の悩みが結果だとしたら、その要因は周りではなくあなたのインナー(心の内側)にあります。

それに向き合っていく勇気をもってください。

私は、それを一緒に支えていくお手伝いをします。

 

とはっきりとお伝えします。

こうすることで、少なくとも出てくる話が愚痴のオンパレードになることはありませんし、クライエントはより自分の内側に意識が向くようになります。

カウンセラーには、安易に妥協しない強い信念が必要です。

目指すのは心の変容

いじめに遭っている子どもが転校してもいじめを受ける。
上司が嫌いで転職した人が、新しい会社でも同じことになる。
2度3度と幾度となく同じ失敗を繰り返す。

 

本質的な部分が変わり得ないがために、起こっていることです。

心が変容しない限りは、同じことを繰り返します。

 

変容とは、容器が変わること。

そう、

心の器

です。

ざるのような心で、網目からこぼれ落ちてしまうような心の器なら、網目のぎっしり詰まった大事なことをとどめておける器にしてみること。

小さな器なら、さまざまな物事を取り込めるより大きな心の器に取り換えてみること。

 

それは、何もあなたの人格を否定することではありません。

あなたはあなたのままでいいんです。

 

でも、ただ一つ意識したいことは、

心の器を変えてみること。

それは、自らの心を通して、心の仕組みとはたらきを理解することに他なりません。

 

それが変容であり、心理カウンセリングで究極的に目指すところです。


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