クライエント様のインナーチャイルドを癒す技術も、カウンセラーには必要です。
以前、一か月コースで行われたインナーチャイルドセラピーの実例を紹介します。
*クライエント様に掲載のご承諾をいただいております。
CL・・・クライエント、CO・・・カウンセラー
CL「6歳の頃、母親にピアノを勧められて、習い始めました。」
CO「はい」
CL「毎回、バイエルの練習課題が決められていて、学校から帰ると練習の時間が決められていました。」
CO「そうなんですね。」
CL「でも、1年くらい続けていくと、だんだん課題のレベルが高くなってきて、それがなかなかうまく弾けないときがあったんです。」
CO「はい、難易度が上がってきたということですね。週に何回レッスンを受けていたんですか。」
CL「多分、2回くらいだったと思います。」
CO「なるほど、自宅で練習して、週に2回先生のところに通われていたんですね。自宅にもピアノがあったということは、他にもピアノを弾かれる方がいらっしゃったのですか。」
CL「はい、母がピアノを弾きます。」
CO「そうですか。お母様は、ピアノが上手なんですね。」
CL「はい、音大を出て、昔ピアノの先生をしていました。」
CO「今は教えていらっしゃらないのですか。」
CL「はい、今はしていません。妹が生まれたときに、教えるのを止めました。」
CO「なるほど、音大を出ていらっしゃるということは、音楽へのご理解も深いのですね。」
CL「はい、私が練習しているときも、ずっと横についていました。」
CO「そのとき、どんなお気持ちでピアノを弾いていたんですか。」
CL「はい、なんか、いつも何か言われるんじゃないかといつもドキドキしていたのを憶えています。」
CO「弾いていて、楽しいという感覚ではなかったのですか。」
CL「はい、元々、外で遊ぶ方が好きだったのであまり楽しさは感じませんでした。でもそうするのが当たり前みたいな感じで過ごしていたんだと思います。」
CO「はい、子どもなら、みんな体を動かしたいですもんね。」
CL「それで、ある日の先生のレッスンのとき、練習ではうまく弾けていたのに、先生の前でなぜかうまく弾けなかったんです。」
CO「はい」
CL「レッスンの後、帰るときに母親がすごく険しい顔をしていたので、何か言われると思って、しぶしぶ歩いていたんです。」
CO「はい」
CL「そしたら、母親が私の腕を強くつかんで、ぐいぐい引っ張って歩いて帰ったんです。」
CO「うん、うん」
CL「その日のことを、なぜか覚えています。」
CO「そのとき、心の中でどんなことを思っていましたか。」
CL「・・・・(しばらく考えた後)、お母さん、ごめんなさい。もっと練習するから。ゆるして。そんなことを、思っていたんだと思います。」
CO「お母さまは、何も言わなかったんですね。」
CL「はい。」
CO「お母さまはその日の演奏に満足していなかったんですね。」
CL「はい、それが態度や表情でわかりました。」
CO「なるほど、その時のお気持ちよくわかります。」
(中略)
CO「小さいころ周りから何と呼ばれていましたか。」
CL「さっちゃんです。」
CO「では、私がさっちゃんに聞いてみてもいいですか。」
CL「はい。」
CO「さっちゃんは、そのときどうしてほしかったんですか。」
CL「・・・・、お母さんに優しくしてもらいたかったです。」
CO「さっちゃんは、どんな言葉をかけてもらいたかったんですか。」
CL「・・・・、がんばったねとか、家に帰って練習しようねとか。」
*クライエントは、少し涙声になっています。
CO「わかりました。では、私がさっちゃんに言いますね。」
「さっちゃん、よくがんばったね。一生懸命弾いたんだよね。」
CL「・・・・・」
CO「さっちゃん、偉かったね。また、家で練習しようね。」
CL「・・・・・」
CL「本当は、褒めてもらいたかったんだと思います。いつもそう思っていたことを今思い出しました。」
CO「そうだったんですね。」
CL「妹が生まれてから、自分にかまってもらえなくて、寂しかったんだと思います。」
CO「妹さんの世話でさっちゃんに手を懸けられなかったんですね。」
CL「はい、たぶん、ピアノを練習していれば、いつも一緒にいられると思って安心できたんだと思います。」
CO「なるほど、よくわかります。」
CO「さっちゃんは、初めての子どもだから、お母さんは授かった時、きっとうれしかったと思いますよ。」
CL「はい。」
CO「そして、お母さんが音楽を愛したように、さっちゃんにも音楽のすばらしさを教えたかった。」
CL「そうだと思います。」
(中略)
CO「いかがでしたか。インナーチャイルドが現れた時、まずは、メタ認知を活用して、俯瞰してみることを心がけてください。自分の上にもう一人の天使の自分を置いて、幼い自分を見つめている感覚です。」
CL「はい」
CO「そっと、優しい言葉をかけてあげてください。自然に出てくる言葉がさっちゃんの心を癒します。そして、ぎゅっと抱きしめてあげることもわすれないでくださいね。」
CL「はい、やってみます。」
CO「インナーチャイルドは、自分の心の中にしか存在しません。あなたの心の中ですから、あなた自身でどのようにでも書き換えられます。実は、視点を変えて言えば、インナーチャイルドがあなたの不安感を作り出しているのではなく、あなたが不安であることを肯定するためにインナーチャイルドを呼び出しているとも言えます。」
CL「意味が分かりません。」
CO「はい、簡単に説明すると、不安でいることに留まる必要はないということです。あなたが、新たな自分に変わることへの怖れが一切なくなったとき、インナーチャイルドは必ず消えてなくなります。」
CL「それは、変わろうとしていないということですか。」
CO「はい、変わることを怖れる必要はありませんよ。」
CL「そうかもしれません。私は結構頑固なところがありますから。不安だから、不安でいるための要素を自分で見つけ出しているということですか。」
CO「はい、おっしゃる通りです。幸せな未来を望むのであれば、今この瞬間の感情が喜びで満たされることです。不安はそのエネルギーを奪いますから。」
CL「なんとなくわかりました。不安が不安を作り出しているということですね。」
CO[今この瞬間を感じて、起こりうるすべてを受け入れていく感覚です。そして、変化を決して怖れないことです。エネルギーはプラスもマイナスも関係なく働きます。喜びを生み出すためにエネルギーを使っていきましょう。」
カウンセラー側における大切なポイントは3つです。
対話の流れの中で、積極的介入をしていることがお分かりいただけると思います。
単なる傾聴カウンセリングでは、決して入り込めない領域に触れています。
要は、カウンセラーが信念をもってそれができるかということに尽きます。
皆さんは、インナーチャイルドは必ず癒せるという信念をもって、クライエント様に向き合っていらっしゃいますか。
最後まで、お読みいただきありがとうございました。
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今日もあなたに喜びの一日が訪れますように。
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