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一本のカセットテープが教えてくれたこと

カウンセラー

先日、セッションをしているクライエント様から、あなたの声に癒されますと言われました。

少し照れくさいのですが、私がいつも意識していることの一つでしたのでその手ごたえを感じてうれしくなりました。

オンラインカウンセリングで大切なこととして見逃せないことの一つに声の質があります。

プロのアナウンサーの語りのように、聞いていて心地よい声というものがあります。

例えば、映画館やコンサートホールにあるような良いスピーカーから聞こえる音声は、耳に心地よく響きます。

好みで言えば、Boseのスピーカーから流れる音が好きですが・・・(笑)

反対に、ジャイアンの歌声のように、聞いているのも苦しいというような声もありますね。

 

実は、私が教師時代に、ある先輩教師から

「あなたの授業をテープに録音して、聞いてごらんなさい。」

と言われたことがありました。

いざ、聞いてみると、自分の耳で聞いている声と人がキャッチしている声ではこんなにも違うものかと驚きました。

そして、なんて温かみがなく愛情の感じられない声を聞かせていたんだと愕然としたことを思い出します。

私は、どの言葉をどのように修正したら、心にすっと入っていくのかをメモ書きしながら、何度もテープ起こしをしました。

そして、授業では子どもたちと音声でキャッチボールをする経験を積み上げていきました。

教務を担当していた7年間には、入学式、全校集会、卒業式・・・、司会を務めてきたことで、マイクに乗った自分の声を聴きながら、温度感を乗せて話すこともできるようになりました。

自分に与えられた場が、私自身を成長させてくれたのです。

こうして、最終的に、私は自分の話す声を自分で好きになりました。

つまり、自分で話していて心地よいと思えることこそが大事だと思います。

自分が好きでないものを人に聞かせることはできませんから。

それに気づかせてくれたのは、先輩教師の一言であり、昔の自分の声を録音したあの一本のカセットテープだったのです。