かつて、その美しい美声で世界中を魅了したスター歌手がいました。
その名は、カレン・カーペンター。
私も、若いころ、彼女の甘い吐息を吐くような美しい歌声に夢中になって聞き入ったものです。
カレンは、拒食症が原因で亡くなったと言われています。
世界中の人々を失望させた一人の命の終焉でした。
でも、そこに至る背景には、心の中に何らかの背景があったことは間違いありません。
多くの人々に届けた美しい歌声。
富と名声を手に入れ、何億人という人々に愛された彼女。
そんな彼女にも、かなえられないものがあったと思うと、どうしても人の心の在り方の難しさを考えざるを得ません。
日本でも、1980年代に岡田有希子という若い女性タレント・シンガーが、非業の死を遂げたという悲しい出来事がありました。
彼女は、たった一人の男性との恋が実らなかったことを苦にして、自ら命を絶ったと言われています。
何万人という多くの人に愛されたにもかかわらず、自分の心が満たされなければ、人は幸せを感じることはできないのです。
お金でもない。
名声でもない。
それは、自分の思いを自己実現することにほかなりません。
そこに、本当の幸せが存在するからです。
この例からも、どんなに世界を制覇しようとも、自分の心を制覇することは難しいことがご理解いただけることと思います。
心の大元は、感情。
感情のはたらき方は、恋愛を例えるとよくわかります。
恋愛は、相手の心との温かい触れ合いがあって初めて生まれるものです。
お互いの魂が一体となったときに、かつて自分が体験しなかったようなエネルギーの塊を感じます。
一度でも、とことん人を愛したことがある人ならわかるはずです。
恋愛エネルギーの源泉は、感情から生まれます。
そして、その感情から、行動が自然と生み出されていきます。
そこから人の行動の源泉は、まぎれもなく感情にあると理解できます。
感情は、無尽蔵なもので、エネルギーの根幹です。
時には他人の心までも左右しうる、強大なものです。
夫婦、恋人、友人、同僚、家族・・・・。
周りとの関係において心の苦しさを感じた時には、自らの感情をもとに思考・行動が生まれているという原則に立ち戻ってください。
その上で、周りとの関係を再認識してみることです。
恋愛において感じる心の苦しさは、相手ではなくほとんどが自らが作り出しています。
人の心は、決して他人がコントロールすることはできません。
自分自身が己の心の創造主です。
心は、その持ち主である本人に操作権・決定権があるんです。
己の心を制覇すること。
これが、人生においては最大の課題であると言えましょう。
人の心までをもコントロールしようと思うことは誰にでもあります。
要は、そんな自分に気づけるかどうかが大切だと思うのです。
その代わりに、自分の心(感情)だけは、自分だけがコントロールできるのですから。