カウンセリングにおいては、クライエント様は、初めは戸惑いながらも、ご自分のことを話し始めます。
これをスムーズに話ができるようにしてあげることは、心理カウンセラーの責務。
関心を持って聴き、
意外なことには驚きを持ち、
一緒に不安な気持ちになり、
一緒に悲しみを共有する。
そうして、クライエント様は、安心して自己開示ができるようになっていきます。
しかしです。
クライエントが、すべてを話していると思ったら大間違い。
なぜなら、誰にでも、
口に出して言えない
言葉にならない
ものごとがあるからなんです。
これを、
インナーヴォイス
と呼んでいます。
日本語では、内なる声と訳せますね。
心理カウンセラーなら、このことをよく理解していなければなりません。
以前、こんなクライエント様がいました。
相談趣旨は、ご主人の浮気でした。許せなさ、憤り、自分自身の無価値観で心がいっぱいのこの方は、ご主人とは一緒には住めないとまで結論付けていました。
新婚当時の愛は冷めた、未練はない、とおっしゃっているこの方には、実は、声にならない叫びがあったんです。
もちろん言葉にはなりませんので、それを引き出していくのが、カウンセラーの役割。
カウンセラーサイドで、本当はどうしたいのか、どうありたいのかという点に意識を持って聴いていくと、大抵のクライエント様もそこにたどり着くことができます。
この方の場合には、
「もっと自分にかまってほしい。」
「力強く抱きしめてほしい。」
「それでも、まだ愛はある。」
というものでした。
これとは、全く反対のケースもあります。ご主人のことを、褒めたたえ、感謝の言葉を並べて、持ち上げているのですが、この方は、最後には共に生活することにずっと悲鳴を上げていたことをはっきりと自覚されました。
クライエント様は、カウンセラーに話を受け止めてもらいながら、言葉にならない無意識にあるものに気づいていきます。
なぜなら、話せば話すほど、自分が話せないことが浮き彫りになっていくからです。
それが、有意識化できたとき、初めて感じることができ、言葉にもなったりします。
ここに、心の在りどころへの気づきが生まれるわけです。
インナーヴォイス(内なる声)
これに気づけるセンスと気づかせるテクニック。
カウンセラーには、必須の条件です。
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